ノースフェイスのトレイルランニング用シューズ「ベクティブシリーズ」が第3世代に進化

その中でも一番注目を浴びているであろうフラッグシップモデルの「サミットベクティブプロ3」を
忖度抜き・完全自腹レビューしていきます。

目次

  1. スペック
  2. サイズ感
  3. 特徴
  4. レビュー
  5. まとめ

1.【スペック】

品番:NF02501
価格:¥33,000(税込)
ユニセックスモデル

USA企画品
原産国:中国

サイズラインナップ:US4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11
※センチメートル換算 約22.5cm、23.0cm、23.5cm、24.0cm、24.5cm、25.0cm、25.5cm、26.0cm、26.5cm、27.0cm、27.5cm、28.0cm、28.5cm、29.0cm

重量:約295g(9インチ/片足)

ラインナップカラー
2025年春夏

ホワイトアッシュ×サルファースプリンググリーン(WS)

ロングディスタンスからウルトラディスタンスまでのレースを、安定しながらより速く走れるトレイルランニングシューズです。反発性を好むランナーに適した一足。衝撃吸収性、反発力、グリップ力をアップデートして、より速く、遠くに走れるようになりました。

走行時のエネルギーを推進力に変えて、安定した走りを促す「VECTIV」システムを搭載しています。ソールユニットは、デュアルプレートを採用した5層構造。1枚目はTPUとカーボンをハイブリッドしたウィング形状の3Dプレートで、ねじれや足ブレを抑えて安定感を高めています。2枚目はフォーク形状の3Dカーボンプレートで、反発力をサポート。2枚のプレートの間に、反発性とクッション性を高める10mm厚のDREAMフォームを内蔵しています。さらに、軽量ながら高反発でクッション性が高いDREAMミッドソールを配置して、安定感と推進力を向上。ラバーアウトソールには、ドライな路面でもウェットな路面でも高いグリップ力を発揮する「SurfaceCTRL」(10%天然ラバーソール配合)を採用しています。よりグリップ力が高いラグパターンに設計。

アッパー素材には、ブリーザブルメッシュを採用。フィット感を高めるウィングタン構造で、激しいアップダウンやスピードを上げるシーンでも、シューズ内の足のズレを抑制。大会で入賞を目指すスピードランナーから初めての100マイルでの完走を目指すランナーまで広くおすすめするアイテムです。

Goldwin Online Storeより

素材
<アッパー>ブリーザブルシームレスアッパー、軽量サポートフレームウイングタン
<ボトムユニット>ウルトラライトDREAM フォームミッドソール、10mmDREAMフォーム内蔵、3D TPU&リサイクルカーボンスタビリティトッププレート、カーボンファイバープレート、SurfaceCTRLラバーアウトソール(10%天然ゴム配合)

オフセット:6.0mm(ヒール:39.0mm/フォアフット:33.0mm)

ラグ:3.5mm

ラグは浅過ぎず深すぎず

2.【サイズ感】

縦の長さは標準的。表記通りと思っていいです。
横幅は幅広とまではいかないが、細くはない。指先は遊べる余裕がある。アッパーが柔らかいので、色んな足型の人に対応できると思います。一方で、足が細い方はフィット感が低く感じられるかも。

3.【特徴】

サミットベクティブプロ3の機能的な特徴を見ていきます

VECTIV 3.0ボトム搭載の高反発トレイルランニングシューズ
※「VECTIV」とは
ノースフェイス独自のトレイルランニング用ソールユニットの名称で、①高反発なプレート(素材はカーボン、TPUなどさまざま)②ロッカー構造(大きく弧の字を描いた転がるように進むソール形状)③「SurfaceCTRL」と名付けられたグリップのいいアウトソールの3点を組み合わせたもの

ウイング&フォーク形状の3Dカーボンプレートが安定性を発揮
反発性を高めるフォーク形状のカーボンプレートを内蔵

中央の黒いパーツがTPUとカーボンの混合プレート
黄色いところが1つめのミッドソール
その下、少し見えている黒いパーツがカーボンプレート

反発性とクッション性を高める10mm厚のDREAMフォームを内蔵
ハイスタック&ハイリバウンドDREAMミッドソールを採用

速乾性と疎水性の高い、ブリーザブルメッシュを採用

ウイングタン構造で高いフィット性と安定性を実現

ヒールカップはしっかり硬めだが、足当たりは柔らかい

4.【レビュー】

まず、第一印象として2点
次に、想像通り良かった点を3点上げます


まず、1点目

正直に書きます(笑)

思っていたのと違いました(爆)
過去モデルを愛用してきたことと見た目から「マックスクッション系」かと思っていましたが、違いました。

思ったより硬い

思ったより硬いです。過去モデル・サミットベクティブプロはもっと「パイーン パイーン」と跳ねてくれましたが本モデルはそこまで跳ねる感覚はありません。しかも、ミッドソールは7mm厚くなっているはずなのに。

これには2つの原因があるのではないかと推測しました。※あくまで素人の推測です
①サイドにはみ出したTPU・カーボンの混合プレート
②プレートの2枚使い

①サイドにはみ出したTPU・カーボンの混合プレート
本モデルのデザイン上の特徴ともいえるミッドソールサイドに張り出したプレート(菱形のやつ)。これがミッドソールのクッション性を阻害しているのではないかと考えました。この菱形の下の部分は簡単に縮みますが、菱形部分はあまり変形しません。過去モデル・サミットベクティブプロにも同様の役割を担うパーツがありましたが、それはミッドソールがつぶれる際に進行方向に対して横に広がっていました。(台形に上から荷重がかかると横に広がるイメージ)横方向に広がることでミッドソールの変形の邪魔をしにくくなっていたのです。
そこが、本モデルはプレートの形状と硬さという2つの理由から左右に広がりにくくミッドソールの変形をしにくくしているのではなかと推測します。

②プレートの2枚使い
単純にパーツが2点あればそれぞれがシューズの屈曲の抵抗になっていて硬く感じられるのだと思います。
過去にフライトベクティブ、サミットベクティブプロとカーボンプレートモデルを履いてきましたが、ここまで硬くはなかったと思います。(いずれもプレートは1枚)

2つ目がアッパーの柔らかさ

さらに柔軟性を持ったアッパー

もう一つ、最初に持った印象が「ソールユニットの上に薄いアッパーが付けられたシューズ」というものです。
伝わりますか?
足とシューズの一体感が少ないというべきでしょうか?極端に表現するとソールはソール、アッパーはアッパーってイメージ。それによって、シューズを履いた時の足首より先の重心が、より足先にあるように感じられます。(走っている時に遠心力が強くかかるイメージ)
ただ、この感覚は非常に微妙なレベルですし、そもそもシューズ自体が軽量なのでそこまでネガティブなイメージを持つ必要はないかなと思います。
エリートランナーであればその華奢さを軽さと捉えられるでしょうが、私のレベルではもっとしっかりしてくれた方が頼もしいかな(笑) 疲れ切った状態ならなおさらそう思うでしょう。

長所3点

ここまで、あまり印象の良くないサミットベクティブプロ3ですが、実際に走って良かった点は以下の3点



①安定感がある

ここは評判通りで安心しました(笑)
雑誌やネットのレビューではこの「安定感」が評価されていることが多かったので、実際にはどうなんだろうと思っていました。
これだけ厚いミッドソールなのに、安定感は抜群です。まぁ跳ねるような柔らかさはないのでその「カッチリ感」が安定感に寄与しているのかもしれませんが、しっかりと地面をとらえられる感覚があります。


②軽い

やはり軽い。足さばきの良さは抜群です。プレート2枚、分厚いミッドソールを備えた5層構造なのに十分軽いです。カタログスペックのUS9(27.0cm)で約295gは軽い部類に入らないと思いますが、感覚は全然それ以上の軽さを感じます。ある程度の走力を持った人には非常に武器になると思います。


③推進力がある

強めのロッカー構造と高反発のプレートによって走れる林道やロードではどんどんスピードが乗っていきます。
個人的には過去モデルからこのロッカー構造がとても好きで、疲れて一歩が重くなってきた時でもオートマチックに次の一歩が出る感覚があります。サミットベクティブプロ3ではさらにこのロッカーがよりきつくなっているので、今まで以上に次の一歩が出やすくなっています。


5.【まとめ】

サミットベクティブプロ3を一言で表現すると「乗り手を選ぶスポーツカー」だと思います。
メーカー側としては様々な研究をしてきて新たな構造や素材を使って、いかに「速く、遠くに」を実現するかを考えていると思います。その結果、5層構造になったけれどもこの重量に抑えてあるという点は素晴らしい。さらに、税込み¥33,000という価格も最近のハイエンドモデルとしては高くない価格と言えるでしょう。そういった面では、「買いの1足」です。
ただ、一方で扱いにくさというか合わない人がいるのも事実だと思います。ロングレースを駆け抜けていくようなランナーではない私には少しオーバースペックだったかなという気がしないでもない。それか、まだこのシューズに合った走り方ができていないのか。
もっと前荷重で体重をどんどん載せていけるような走り方ができれば、屈曲しにくさが気にならないのかもしれません。

いずれにしても、このシューズと付き合い始めてまだ間もないので、もう少しこのシューズと向き合ってみたいと思います。

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