初めてフルマラソンに挑戦する方、一度はフルマラソンに挑戦したけど完走できず次こそは完走したいと思っている方に、私なりに「フルマラソンを完走するために最低限必要なこと」をご提案します

フルマラソンを完走するといっても、色んなケースがあると思います。
自分の納得いくペースで走り切る方もいれば、関門の制限時間ギリギリで歩きながらも完走する方など。
さらに、基本的な運動能力も人それぞれだと思います。年齢の若い方は普段全く運動をしていなくてもなんとか走り切れてしまうかもしれません。一方、ある程度の年齢の方は社会人になってから「走る」という行動さえもしていないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は「関門の制限時間ギリギリでもいいから完走したい」という方に向けてのお話です。
目次
1.ランニングシューズ

まずは、足に合うランニングシューズが第一です。
長時間歩いても違和感のないものを用意しましょう。
ランニングシューズは専門店で店員さんに相談して数足履き比べ、いちばん違和感がないと思う一足を選びましょう。
それでも、長時間履けばトラブルは起こるものです。
よくある失敗談が、大会直前に慌ててランニングシューズを購入したけれども足に合わずマメができたり靴擦れがおきて痛くて歩けなくなってしますというもの。
大きなマラソン大会であれば数か月前にはエントリーが完了していて、抽選だったとしても大会当日までには2~3か月はあると思います。
ランニングシューズを購入するのであれば、出走が決まったタイミングで購入して、大会当日までに十分履き慣らしておきましょう。
その中でトラブルがあるのなら、靴紐の結び方を変えたり、ソックスを変えたりなどの対策をする必要があります。
2.完歩できる足

私がフルマラソンを完走するために最も重要なポイントを一つ挙げるとしたら、間違いなく「完歩できる足」です。
さきほどの話の足に合うランニングシューズも「完歩できる足」が合ってこそ。
どんなにいいシューズでも、靴が走らせてくれることはありません。
あくまでも、歩ける足があってその負担を軽減してくれるシューズがあるだけ。
長時間・長距離を走ることに耐える足が必要です。
42kmもつ足を作る練習法
42kmもつと言っても、スタートからゴールまで走り続ける必要はありません。
走ったり歩いたりを繰り返しても全然いいのです。
とにかく、最後まで進み続けること。
普段の練習としてすることは、その日の目標距離を設定して走る。
ただ、それだけ。
その中で、「走る」の割合をだんだんと増やしていくことを考える。
次に、全体の距離を増やしていくことを考える。
この2点を意識するだけ。
最初は1kmも走れずに歩いてしまうかもしれません。それでもいいんです。
走って歩いて走って歩いて、を繰り返していくことで、だんだんと「走って」の距離が伸びていくと思います。
少しでも成長を感じられるとだんだんと面白くなり、継続していく原動力にもなります。
距離はどうやって測るのかというと、理想的なのはガーミンやカロスといったブランドのGPSウォッチを使用すること。スマホを持つ必要がありませし、何より走っていて見やすいから。
いきなり数万円の出費は…というかたはスマホのランニングアプリを使用しましょう。ナイキやアディダスなど、ランニングニューズメーカーのアプリが無料で使いやすいです。
足を42kmもたせるための思考法
少しづつ走ることに慣れてきたら、本番を見据えて取り組んでいただきたい練習があります。
それは、一度42km歩いてみる
なかなかハードルが高いですね(笑)
時速4kmで歩き続けたとしても約10時間かかりますね。
始めは走って、途中でバテて結果ほとんど歩きとかでもいいです。
難しいなら30kmでもいいですし、25kmでもいいです。
20kmはちょっと足りないかな?
というのも、これは足の耐久力を試す意味もありますが、重要なのは「距離に対する意識を変える」ことです。
フルマラソンを走ったことがない人にとっては、42kmはとてもとても長く感じるでしょう。
ところが、フルマラソンを完走したことがある人にとってみれば「42㎞ってそうでもないよ。」とか「42kmって長いけどなんとかなる距離だよ。」というレベルになります。
感覚の違いです。
初めてフルマラソンに挑戦する人にとっては未知なる距離に感じる方がほとんどでしょう。
得体のしれない未知なる距離が、わずかでも「あー こんな感じなんだ」と思えるようになると一気に完走が近くなります。
「30km歩いた時は10kmぐらいから足が重くなったな。」とか
「30km歩ききった時はめちゃくちゃ足が硬かったな。」とか
そういう経験が本番での余裕を生みます。
ただ、一気に無理して体を壊しては意味がないので、以下の2点に注意しましょう
①距離は徐々に伸ばしていく
自分の現在地を確認する意味でまずやってみるのはいいかもしれませんが、限界まで追い込まないこと。体はだんだんと強くなっていきますので、一気にやってもあまり意味はありません。少しづつ積み上げていくイメージで行った方がいいでしょう。
②本番までに回復できる期間を設けておく(本番直前に行わない)
本番の1週間前や2週間前に長距離を走っても実力が一気に伸びることはありません。むしろ、疲労が回復せずに本番でのパフォーマンスが下がるだけ。本番までに十分体力が回復し、疲労感がとれる期間を確保しておきましょう。
3.ペース配分を考える

フルマラソン完走での理想的なペース配分はずっと同じペースで走り続けることです。
徐々に下がっていったり、上がったり下がったりは理想的ではありません。
完走することを目標にするのであれば、焦る必要はありません。
スタートしてからは「自分が不安になるくらいゆっくりペースで走る」ことです。
おそらく、どんどん抜かれるでしょう(笑)
それで、いいんです。
「(これでいい。これでいい。)」と自分に言い聞かせます。
そのペースで進み続ければ、後半で抜いていった人を抜き返せます。本当に。
それでも、後半になってくるとだんだんと足が硬くなり動きがわるくなってくるでしょう。
その時は歩いてもいいです。そして、回復して走れるなら走る。
走れないなら歩きつづける。
とにかく、前に進む。前に進めばゴールは近づきます。
マラソンでよく言われる言葉に「タイムの貯金は足の借金」というものがあります。
前半いいペースで進み、予定よりも短い時間で通過したとします。
そこで「このままいけば、後半ペースが落ちたとしても前半マイナスできた時間でなんとかなる!」と思いがちですよね?
ところが、実際は後半を走りつづける足は残ってませんよ、ということ。
一気に前半のタイム貯金を使い果たしてしまうし、そこから挽回する足なんて当然ありません。
タイムは遅れたとしても、進み続けられる足を残しておく方が重要です。
大事なのは、42km全体に満遍なく自分の力を使って進むということ。
4.まとめ
今回はとにかくフルマラソンを完走するために必要な最低限のことについてお話させていただきました。
①自分に合ったランニングシューズを使う
②42km完歩できる足を作る
③ペース配分に注意する
やること自体はそんなに多くないと思います。
シューズを準備して、練習して、本番で注意する。
一番、時間を割くのはやはり練習。
練習あるのみです。
最後に、もう一つマラソンでよく言われる言葉をご紹介します。
「マラソンに奇跡はない」
練習しなくても、「ワンチャンいけるんじゃね?」とか思いがちですが、そんなことはありません。
スタート直後に「今日は体が軽い!なんかいけそうな気がする!」と、練習でも走ったことがないペースで走ると絶対に後半にそのツケを払わされます。
仮に、ろくに練習もせずに目標タイムをクリアした人がいたとしたら、その人は実はその力を持っていたということ。奇跡でもなんでもないです。
事前の準備(気持ちも道具も)と練習の両方があって成し遂げられるものです。
その結果、フルマラソンを完走できたとしたら、素直に喜べるでしょう。
謙虚な気持ちで、淡々と前に進んでいきましょう。
