トレイルランニングをはじめてみたいけど、何から手を付けたらいいかわからない。という方に、私の経験を交えてお伝えしたいと思います。
今回は、始めるための第一歩
『道具編』
まずは、必要な道具を用意します。道具はトレイルランニングを安全に楽しむために重要なものばかりです。まずは今回ご紹介したものをそろえることをおすすめします。すでにランニングをしている方や登山をしている方は普段使っているものから流用できるものもあるかと思います。
優先順位の高いものからまず5点
・トレイルランニング用のシューズ(トレランシューズ)
これがないと始まりません。普通の(ロード用の)ランニングシューズはおすすめしません。なぜなら山で滑りやすいから。滑るということはケガをする危険性があるということ。初心者がランニングシューズで山を走るのは避けるべきです。

・トレランシューズを履く時に履く靴下
一般的なランニング用と比べて、トレイルランニング用の靴下はやや厚いです。クッション性があり足へのダメージを軽減してくれます。
そして、靴下とシューズを組み合わせた時に何の問題もなく気持ちよく走れるものがベスト。

・ランニングウェア
気候や行くフィールド次第でウェアは変わります。また、ほぼ使わないけど念のために持って行くものなどもあります。ただ、ここでは春から秋の暖かい季節・山深くない場所を基本に考えます。
短パン・Tシャツ。吸水速乾性のあるナイロンやポリエステルを使用したもの。綿素材のものは汗をかいて濡れた時に乾きにくいのでおすすめしません。
また、「ドライアンダー」と呼ばれる吸水しない下着を使用するのもおすすめ。これを使用することで「汗冷え」が軽減できます。(例:ファイントラック「ドライレイヤー」、ミレー「ドライナミック」)

・トレイルランニング用ザック(トレランパック)
トレランしている人がよく背負っているものです。以前は、容量の少ないリュックサックみたいな形状でしたが、最近では洋服のベストのようなベスト型が主流。ベスト型の方が体にフィットして走っている時に揺れにくいです。容量は様々ありますが、まずは5L~10Lぐらいがいいと思います。

・ソフトボトル(ソフトフラスク)
行動中に飲む水やスポーツドリンクを入れるためのもの。選ぶ基準は自分のトレランパックに合うもの。パックのボトルホルダーが細いものに太目のボトルは入らないので、トレランパックとセットのものを買うか同一メーカーでそろえるといいと思います。
最初は容量は1本あたり500mlがベスト。それを左右1本づつで計2本。大会の必携品(出場者は必ず持たなければいけないもの)で「水1L以上」とされている場合がけっこうあります。
あと、ペットボトルでいいじゃんと思われるかもしれませんが、ペットボトルはおすすめしません。ペットボトルのキャップや底の部分は思ったよりも固く、転んだときに胸にあたりケガをする可能性が高いからです。私の周りでもこれで骨折した人が数人います。

ここまでそろえたら、自然公園的な山というか丘みたいなところまで行ってみてもいいと思います。みなさんの近所にもありませんか?散歩で行けるような小さな山。舗装されていないけど、ルートが明瞭な散策コース的な。
次は山に入る場合にはぜひそろえておきたいものをご案内いたいます。(近場の山ってイメージです。高くても標高1000m程度?)
・レインウェア(上下セパレートの上下組)
登山の必需品ですね。トレイルランニングといえどフィールドは登山と同じ。レインウェアは雨天時はもちろん寒くなった時や、万が一の事態で行動不能になった場合に着用するので、天気次第ではほぼ使いません。ですが、持っていきます。保険です。登山用なんかをお持ちの方はまずはそれでもいいと思います。この際一緒にそろえるという方は、トレイルランニング用を選んでください。少し高価ですが、軽量でムレにくいので価格分の価値は十分あります。
これも、必携品でよくありますのでそろえておいていいと思います。
ウィンドブレーカーでも良さそうですが、レインウェアはウィンドブレーカーの代わりになりますが、ウィンドブレーカーはレインウェアの代わりにはなりません。

・ウィンドブレーカー(トップスだけ)
レインウェアまでは予算出せませんという方はウィンドブレーカーだけでも用意したほうがいいです。レインウェアとの違いは防水性がないこと。その分価格も安く重量も軽くなっています。レインウェアの仕事はしてくれませんが、撥水性のあるものも多く、持っていると便利。
必携品としてもウィンドブレーカーと明記してある場合もあります。(この場合はレインウェアでも可)

・手袋(グローブ)
不整地では木や岩をつかむこともありますし、つまづいた時に手をつくこともあります。その際に手のひらをケガすることがあります。その予防です。できれば手のひら側が革や合成皮革になっているもの。笹や小枝などが突き抜ける可能性が下がります。ニットの製品は防寒用としてはありですが、保護性を考えると少し心配です。縫い目から枝が入ったりするからです。
行動中にスマホを使ったり、行動食を食べたりするので、指先の出ているフィンガーレスタイプも便利です。この場合は、利便性と保護性がトレードオフになりますのでどちらがいいか検討してみてください。ちなみに、私は温かい季節であればフィンガーレスを使うことが多いです。


・エマージェンシーブランケット
災害用の持ち運びキットみたいなものによく入ってるやつ。ぺらっぺらのアルミホイルみたいな見た目です。寒い時や行動不能になった時に保温する目的でしようします。体から発せられる熱を反射して保温します。これも、ほぼ使わないけど持って行くものです。そんなに大きく重いものでもないので、準備しましょう。

ここまでそろえれば自信を持ってトレイルランニングに行けるでしょう。
【最後に】
準備するべき道具をご紹介しましたが、多いと思われましたか?少ないと思われましたか?
今回ご紹介した道具は本当に最低限の数です。まだ他にもあったほうがいいものやあれば便利なものなどたくさんあります。
ここからは、ご自身の経験で装備を充実させていってください。「こういう時はこれがいる」「こういう場合はこれはいらない」など、道具を選ぶということもトレイルランニングの楽しみの一つです。
最後に、トレイルランニングのフィールドは山であるということを認識していただきたいです。山という場所は簡単に助けが来るところではありません。自己責任で自力で帰るために必要な装備を選んでください。
また、ウェアなど見た目にこだわりたい方はこだわったほうがいいです。なぜなら、テンションが上がるから。どうせやるなら、楽しんで走ってほしいです。楽しんでいるうちにどんどん走れるようになると思います。